Kotone Hori

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堀琴音プロインタビュー(後編)

堀琴音プロインタビュー(後編)

ゴルフの調子が悪くてもスコアをまとめるコツをつかんだ

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後半戦は試合にあまり出られないかもしれないという気持ちの焦りから、スタートダッシュに失敗してしまった堀プロ。しかし、この出遅れも成長の糧にして心の落ち着きを取り戻すと、次第に成績が上がってきた。5月の中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで5位タイに入ったのに続いて、6月のサントリーレディスオープンゴルフトーナメントでも7位タイ。高校時代から拠点にしている地元・兵庫のファンの前で本来のプレーを披露した。

そして、ツアーの舞台が再び兵庫に戻ってきた10月のNOBUTA GROUPマスターズGCレディースで20位タイに入り、128万8000円の賞金を加算。この時点で獲得賞金が2000万円を超えた。前年実績や今年の状況を踏まえると、来季の賞金シードがほぼ確定した。

「2000万円を超えた時点で、正直、安心する気持ちはありましたね」

ただ、張り詰めていた心が緩んだからなのだろうか、ゴルフの調子は下降気味だったという。この時期は予選落ちが続いてもおかしくない局面だったが、それでも粘り強くプレーできたことが、さらなる自信につながった。

「マスターズの次の試合が(樋口久子)Pontaレディスだったんですけど、あまり調子がよくなかったんです。それでもスコアをまとめることができて、19位タイでフィニッシュすることができました。ゴルフの調子が悪くてもこれくらいの順位でプレーすることができれば、ゴルフの調子がいいときはトップテンに入る確率が増えます。調子が悪いなりにスコアをまとめることができたので、自分の中ではキーポイントになる試合でした」

その思いは2週間後に成就する。翌週のTOTOジャパンクラシックに出場できずオープンウイークとなった期間にゴルフの調子を立て直し、伊藤園レディスゴルフトーナメントに臨んだところ、初日66の好発進。最終日も69とスコアを伸ばし、今季自己最高の3位タイという順位でフィニッシュすることができた。

2016年は1日でも早く優勝して応援してくださる方に結果で報告したい

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この試合で堀プロはもう一つ、貴重な経験をする。

「2日目に賞金ランキング1位の(イ)ボミさんと、賞金ランキング2位のテレサ(・ルー)さんと一緒に回ったんです。ボミさんともテレサさんとも一緒に回ったことはあったんですが、二人同時というのは初めてで、しかもあのときはまだ賞金女王が決まっていなかったので、その場にいないと味わえない緊張感があって、私はそれを第三者として見ているだけだったんですけど、それだけでも大きな刺激になりましたね。あんなに緊張感が漂っている中でも、二人とも技術がすごく高くて、『あっ、こんなにうまいんだ』と思いました」

結果的にこの試合でイ ボミが優勝して賞金女王を確定させたのだが、今年一番強かった選手の、一番調子がいいときのプレーを目の当たりにして、さまざまな収穫があったという。

その後、大王製紙エリエールレディスオープンを13位タイでフィニッシュし、堀プロは賞金ランキング33位という成績で2015年シーズンを終えた。この結果を60点と自己採点した堀プロは、残りの40点を加算するためにどんな取り組みが必要だと考えているのだろうか。

「ひと言でいえば、心技体の一つ一つをすべて上げることです。体力アップの必要を感じたのは、4日間競技のときです。アマチュア時代は4日間競技といっても、その試合に照準を合わせていたので、疲れなんて感じなかったのですが、ツアー生活の中での4日間競技というのは、その前の週に3日間やってからの4日間なので、最後のほうに見えない疲れがたまってきて、集中できなかったり、ショットが真っすぐいかなくなったりしたことがありました。来年はそういうことがないように、体力をつけたいと思います。技術面では、ショートゲームをもっと磨く必要があると感じました。上手な選手はイヤな距離からでもピッタリ寄せてきて、ストレスなくパーやバーディを取ってくるので、そういうところを身につけたいですね」

心の部分に関しては、トレーニングで鍛えるというよりも、場数を踏んで経験値を高めるしかないだろう。優勝に近い位置で何度もプレーすることで、独特の緊張感を味わうことが、精神的な成長につながるはずだ。

そして2016年シーズンは「本当に早く優勝したいです! 応援してくださっている人たちに、1日でも早く初優勝している姿をお見せして、結果で報告したいですね。そのためにはオフにしっかりトレーニングして、いい開幕を迎えられるようにしたいです」と意気込んでいる。

長かったフル参戦1年目はまだ終わったばかりだが、堀プロの視線はすでに2016年のさらなる飛躍を見据えている。自分のゴルフをさらに高いレベルまで磨くことを決心したアスリートの飽くなき挑戦に期待したい。